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事業概要


令和4年度事業概要

令和4年度に学園が取組んできた事業の概要は次のとおりです。

1. 第3期中期計画の推進

杉野学園がその経営に関わる中期計画を初めて策定したのは平成20年7月である。当時と比較すると社会状況の変化を反映して学園が経営する各学校への志願者数と入学者数は大きく変化している。また、中期計画の中で立案していた大学の大学院新設、専攻科の新設、杉野ホールの建設、さらに、昭和48年以前の建築に係る建物の耐震化についても、主要な施設の耐震化工事を完了することができた。このような中、18歳人口の長期的な減少傾向、卒業生の主な就職先であるアパレル・ファッション産業の長期的な展望、第2期の学園の中期計画期間中における入学者数の推移に鑑み、令和3年度から始まる杉野学園の第3期中期計画を策定してきた。第3期中期計画の2年次目にあたる令和4年度においては、社会状況の変化に対応しつつ、各学校における教育研究をはじめとする学校運営を進めた。
令和4年度は、大学院に3DCGを活用し、モデリングに特化したクリエーターの養成を目指す3Dデジタルモデリングコースを開設した。
さらに、日本と世界の服飾の歴史や伝統について学び、過去から未来へ広い視野をもって、豊かでサスティナブルなファッションを創造する力を養う服飾文化学科を令和5年度から開設すべく、令和4年度末に閉校を予定している短期大学部の入学定員のうち40名を転換して、新設する同学科の入学定員40名の増加に充てることを文部科学省に申請し、令和4年9月に認可された。
新型コロナウイルスの影響については、昨年同様感染対策を徹底し、学生・生徒・園児が安全にかつ安心して修学できるとともに、大学を初め各学校が分散授業や遠隔授業を滞りなく実施できるよう、教育環境の整備を図った。
国の高等教育の修学支援新制度について、杉野服飾大学、杉野服飾大学短期大学部、ドレスメーカー学院が引き続き支援対象校として認定され、大学80名、短期大学部2名、ドレスメーカー学院22名を授業料免除対象者(いずれも延べ人数)とするなど、独自の奨学金制度とあわせて経済的な支援を実施した。
財務運営については、教育活動収支差額は大学で27百万円、短期大学部54百万円、幼稚園8百万円、ドレスメーカー学院1億23百万円とぞれぞれ支出超過となった。法人全体としては2億42百万円の支出超過となった。資金収支における翌年度への繰越支払資金は4億40百万円で前年度より84百万円減少した。
教育環境の整備にあたっては、計画している大学校舎の冷暖房設備の更新を、令和5年度から円滑に着手できるよう実施設計及び実施工程の検討を進めるとともに、日野校舎の冷暖房設備の計画的な整備を推進した。

2. 教育活動情報の発信の強化

令和2年度にホームページを刷新、以来、入試広報部の情報発信チームが迅速な更新を行っている。また、令和3年度にITによる情報発信を推進するための組織として発足させた、大学の各学科・コースの適任者によるプロジェクトチーム「学生募集実行員会」とドレスメーカー学院の「広報活動委員会」の情報提供により、同じく情報発信チームがSNSを駆使して常に新しい教育活動情報を配信、広報活動を行った。

3. 外部評価の実施による授業改善

杉野服飾大学では、学生による授業アンケート、学生との意見交換会を実施するほか、企業・卒業生による外部評価を実施している。
令和元年度には厳しくなる就職活動に向けて「キャリアデザイン」を開講、さらに令和3年度には数理・データサイエンス教育の充実を図るため、「データサイエンス基礎」を開講した。
外部評価アンケートについては、平成29年度から対面により実施してきたが令和2年度から新型コロナウイルス禍ということもあり、多くの本学学生を採用していただいている企業13社と現在もアパレルで活躍している各コースからの卒業生14名に依頼し、書面による外部評価アンケートを行った。アンケート結果を基にコース主任が授業改善案を作り、できることから改善を試みている。また、その内容は自己点検委員会でも意見を聞き改善を行い、令和4年1月7日にホームページにもアップした。令和4年度においては評価を受けて授業改善を行った。令和5年度もこの外部評価を継続して実施していく。

4. 杉野服飾大学の教育活動

平成30年度に新設した服飾表現学科は、令和3年度で完成年度を迎えた。
令和2年度に学長裁量経費等を活用し日野校舎に動画編集ソフトを搭載したPCや舞台衣裳制作用の特殊ミシンを整備し、授業で活用している。令和3年度は初めての卒業制作発表が充実したものとなるように検討した。コロナ禍ということで日野校舎にて録画映像を撮影し、3月上旬から学修支援システム「manaba」にて在校生に発信を行った。
令和3年度の学部における授業については、服飾造形教育に係る専門領域であり、衣裳制作や実習等の授業を多く実施することから、対面授業を基本として実施した。また日野校舎でも大型モニターを設置し、目黒校舎で行っている選択講義科目を日野校舎でも授業が受講できるように整備を行った。これにより移動時間の影響で履修が難しかった選択科目も履修できることとなった。目黒校舎においては大型ディスプレイを活用して分散授業を行うなどコロナ対策に万全を期している。また、昨年同様、必要に応じて遠隔授業も取り入れた。
令和3年度には数理・データサイエンス教育強化を見据えて『マーケッティング・データサイエンス論』を大学2年生全員必修授業とし、開講した。令和4年2月に教員に向けてFD研究委員会の主催によりデータサイエンス基礎の授業内容について勉強会を行った。今後に向けては授業アンケートも踏まえ、さらに授業改善を行っていく。
平成16年度から始まった「教員作品集」は18回目となる。1年間の研究成果として造形系の教員による作品集は高校訪問等に役立てられ、実物作品は学内の展示室等で在校生にも先生方の作品を観る機会として展示を行っている。この取り組みにより、若手助手の育成にも役立っている。しかし、短期大学部が募集停止になったことを踏まえて、今年度で「大学・短期大学部教員作品集」は終了することとした。今後は若手育成のため積極的に研究を促し本学の紀要や学会発表を行うように促し指導していく予定である。紀要は本学在校生全員に配布されることから、学生教育にも役立てている。

5. 杉野服飾大学短期大学部の教育活動

令和4年度の授業は、令和3年度と同様、授業は時間短縮ながら対面授業を基本として実施した。ファッション研修旅行を2年間実施できなかったことから、研修旅行で得られる経験や知識を補うこと、社会で役立つことなどを念頭に特別アワーと合わせて計画を立てた。国立劇場での歌舞伎教室、都内のアパレル工場見学、雅叙園での和食のテーブルマナー、箱根富士屋ホテルでの洋食のテーブルマナー、銀粘土のワークショップなど、ソーシャルディスタンスを十分に考慮し実施した。
地域の児童センターを活動の場とする社会貢献プログラムにおける対面のワークショップなども実行した。今年が最後の授業であっただけに、実行できて、地域の担当者の方々からも良い評価をいただいたことはよかったと思う。

6. ドレスメーカー学院の教育活動

ドレスメーカー学院は、令和4年度も自己点検・評価委員会を中心とした点検・評価を推進した。その一環として11月と12月に「教育課程編成委員会」を、3月に2回「学校関係者評価委員会」を開催して外部評価を受け、改革に取り組んだ。
令和3年度の「自己評価報告書」「教育課程編成委員会」「学校関係者評価委員会」の内容を9月までに公表した。
平成28年度より自己点検・評価委員会の重点目標として「職業実践専門課程」(文部科学大臣認定)の申請に取り組み、同年、アパレル技術科、高度アパレル専門科が、平成29年度に服飾造形科、ファッションビジネス科が認定を受けた。認定維持のため本年度もその内容を9月に公表した。

7. 杉野幼稚園の幼児教育の推進

前年に続きコロナ禍ではあったが、感染防止対策を徹底し、園外保育や遠足を再開したり、状況により、行事の保護者参加人数制限の緩和などを行い、子供たち及び保護者に対して充実した保育環境を確保することが出来た。
同時にプレ保育や未就園児イベントを定期的に開催し、広く地域の幼児教育・子育て支援を行った。
アンプなどの放送設備を整備することにより、運動会をはじめ、様々な行事や保育で、子供たちにより良い音響の下、充実した教育活動を行うことが出来た。
前年度より運行を開始した幼稚園バスは、委託会社により安全な運行を徹底し、園で作成した送迎マニュアルを活用し、安心して利用出来るよう努めた。バス運行が認知されつつあり、問い合わせも増えている。今後も広く周知して園児獲得につなげたい。

8. 杉野服飾大学日中服飾専門課程の教育の推進

中国浙江省寧波市の浙江紡織服装職業技術学院(高卒後3年生の服飾専科学校)と合作で同学院に開設した「杉野服飾大学日中服飾専門課程」は、令和4年9月には89名の新入生を迎え順調に運営されている。
本学教員が担当している服飾造形などの授業はコロナ禍により教員を派遣できないため、オンラインで授業を行っている。
また、毎年卒業生の10名程度が杉野服飾大学に編入している。コロナ禍による入国制限によりなかなか来日ができない年度があったが、令和4年4月下旬から入国が可能になり、5月下旬までに令和3年、4年度の編入生11名が来日した。令和5年4月入学予定の学生9名は順調に4月2日に来日、編入生入学式に出席できた。
平成26年度から日中服飾専門課程の学生を対象に行っている「杉野服飾大学で日本のファッションと文化を見て学ぶ短期研修旅行」は、コロナ禍のため令和2年度以降中止している。

9. 国際交流の推進

例年、ベルギーアントワープ研修旅行をはじめ、パリ・プレタポルテコレクション研修旅行、夏期イギリスの短期留学プログラム、ニューヨーク州立ファッション工科大学で学ぶニューヨークファッション研修旅行などを企画し、学生の国際感覚を身につける機会を数多く設けて開催していたが、コロナ禍のため令和2年度以降全て中止し令和4年度も実施を見合わせた。
また、本学園が主催する全国ファッションデザインコンテストへの交流協定校の学生の参加は、中国浙江理工大学、浙江紡織服装職業技術学院については、令和4年度も招聘はできなかったが作品参加のみ実施した。但し、A.N.コスイギン名称ロシア国立大学については、ウクライナ侵攻により国際郵便がストップしたことも踏まえ、作品参加を見送った。

10. 全国ファッションデザインコンテストの開催

本学園が一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会と共同で開催する第59回全国ファッションデザインコンテストはコロナ禍ではあったが、「杉野学園全国ファッションデザインコンテストに向けての感染拡大防止措置」(第2版)に基づき開催した。

11. 杉野服飾大学附属図書館セキュリティ強化と所蔵資料のデジタル化

令和4年4月より、ホームページ作成業者との打ち合わせを開始し、「図書館運営委員会」での協議を経て、令和4年10月にホームページのリニューアル版を公開した。
費用は組み込み画面の増加等による構造の修正により、予算額を5万5千円超過したが、利用者にとって必要性の高い情報が上位ブロックに提示される構造となった。
リニューアルする第一の目的は、スマートフォン対応やSNSとの連動により、利用者が図書館発信情報へ容易にアクセスできるようにすることで図書館の利用を促進し、学生の専門性と教養を高めることであった。しかし、前年度に引き続き令和4年度も、コロナ禍対策のために短縮時間割となったことも影響して、利用率の顕著な増加にはつながらなかった。

12. 杉野服飾大学短期大学部の社会貢献活動

短期大学部では2年次の必修科目「社会貢献プログラム」という科目で地域の団体と様々な取り組みを行っているが、本年度はコロナ感染もソーシャルディスタンスを徹底することなどで対策も出来、通常通りの開講となった。取り組みは他の団体からも要請があったが、2年生のみの少人数であるためやむなくお断りし、昨年同様協定を結んでいる品川区の2つの児童センターのみと行った。令和4年度は品川区八潮児童センターにおいて「つまみ細工」「エコバック」のワークショップ、同じく品川区平塚児童センターでは「6種類から選べるトートバック」のワークショップなど、服飾の学生らしくファッション性を考えかつ日常で使えるもの、日本の伝統工芸を知ることなどを提案し、これらのワークショップを対面で行った。

13. ドレスメーカー学院の社会貢献活動

産経新聞主催の衣服のリユースでパラスポーツを応援する「ふくのわプロジェクト」と協力のもと、リユースの専門家の指導を受けながら回収した古着を学園祭で販売し、その収益金をこのプロジェクトに寄付する活動を平成29年度から行っている。本年度もコロナ禍ではあったが実施した。
残布を品川区の発達障害者支援施設に提供する自立支援の協力はコロナ禍なので行わなかった。

14. 杉野学園衣裳博物館企画展・常設展示の開催

4月11日から7月29日まで「2022年度前期展示 刺繍 ― 様々な装いにみる装飾 ― Ⅱ」展を開催した。「2021年度後期展示 刺繍 ― 様々な装いにみる装飾 ― 」展の展示資料を入れ替え、アイヌの民族衣装などに加え、様々な衣装にみられる刺繍に焦点を当てて展示を行った。前期開講の民族衣装論、服飾クラフトなどの授業の参考となるよう配慮するとともに、一般見学者にとっても知識を深める内容となることを目指した。
また、9月21日から令和5年1月30日まで、1階と中2階ギャラリーで館収蔵品の中からフランスLANVIN社から譲り受けた1920~30年代に描かれたスタイル画 21点を中心とした「LANVINスタイル画」展を入館料無料で開催した。「LANVINスタイル画」については展示内容をまとめた小冊子を製作・販売し、両展共にチラシを作成・配布し、幅広く広報活動を行った。
なお、入館に際しては引き続き感染症拡大予防の観点から、換気や手指消毒、入館人数の制限などの感染症拡大予防策をとった。

15. 目黒商工まつり・目黒リバーサイドフェスティバルへの参加

平成24年度より目黒区商工会議所が主催する目黒商工まつり「目黒リバーサイドフェスティバル」に大学・短大・ドレスメーカー学院それぞれが参加して、ワークショップを行っている。また、目黒区商工会議所主催のごみゼロキャンペーン啓発活動に社会貢献活動の一つとして学生自治会学生が参加していたが、コロナ禍のため令和2年、3年度は中止した。令和4年度は実施形態を変更しての開催となったため、本学は参加できなかった。

16. アトレ目黒店とのコラボレーションと中学生に対するものづくり教室等の開催

目黒駅のショッピングセンターアトレ目黒店、出店会社㈱銀座マギーと大学モードクリエーションコース、インダストリアルパターンコース、ファッションプロダクトデザインコースとの産学連携は、平成25年度より継続して行ってきたがコロナ禍のため令和4年度も実施できなかった。
また、杉野服飾大学では、目黒区、品川区、大田区の中学生を対象に「杉野ファッショングッズ中学生セミナー —My Bagをつくろう—」を平成22年度から行っていたがこちらも同じくコロナ禍により中止した。