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I.中長期計画
II.平成22年度事業概要
I.中長期計画
杉野学園は、平成20年7月31日に開催した理事会で「杉野学園中長期計画」を決定しました。この計画は、同日、評議員会でも承認されました。 この計画の目次は次のとおりです。
目次
第1 学園の規模の展望 1. 志願者数の推移 2. これまで採ってきた対策 3. 入学者数の推計と学園の規模の展望 第2 経営改善の取組み 1. 経営改善の取組みの経緯 2. 経営改善の状況と19年度決算 3. 経営改善の課題 第3 長期計画 1. 建学の精神・ミッションと学園の将来目標 2. 教育組織に関する現状認識と改善計画 3. 定員管理に関する方針 4. 施設整備方針 第4 中期計画 1. 中期経営方針 2. デザイナー養成教育強化プログラム 3. 専攻科の新設 4. 大学院の新設 5. ファッションマガジン「ファッション力」の発行 6. 社会的責務とスクールエクステンション (1) 全国ファッションデザインコンテスト (2) 地域社会との連携 (3) 大学・短大夏期セミナーとドレメ夏期セミナーの実施 (4) 「ファッション力研究講座」の開催 (5) ドレメ式原型の改訂・普及 (6) CAD講座と立体裁断講座の開講 7. 杉野ホールの建設 8. 賃貸マンションの建設
計画の概要は、以下のとおりです。
第1 学園の規模の展望
1.志願者数の推移 杉野学園の設置する大学、短期大学部、ドレスメーカー学院、通信教育部、幼稚園の平成15年度から平成20年度までの6年間の学校別の志願者数の推移を中心に、それ以前の傾向も含めて概観しています。幼稚園を除いて各学校とも減少傾向を辿っています。志願者数の推移は、HPの「財務公開」の「平成19年度杉野学園の概要」にも載っています。 2.これまで採ってきた対策 短期大学は、平成14年度に生活芸術科(入学定員40名)の募集を停止し、被服科(入学定員200名)を服飾学科(入学定員100名)に改組。 大学は、平成14年度に杉野女子大学家政学部被服学科(入学定員100名)を杉野服飾大学服飾学部服飾学科(入学定員165名)に改組。 同時に大学、短期大学部とも男女共学とし、短大3コース制、大学6コース制とする。大学は16年度に入学定員を240名に増加し、18年度にファッションプロダクトデザインコースを増設して7コースとする。 短期大学部は20年度に入学定員を70名に減少する。 ドレスメーカー学院は、15年度にファッションデザイン科を新設、19年度に企業との協力によって運営するストアマネジメントコースをファッションビジネス科に開設、高度専門士を養成する高度アパレル専門科を新設。 18年度にホームページを抜本的にリニューアル。19年度には携帯対応とメールマガジンの発信を開始。 18年度以降広報担当スタッフを充実強化。 3.入学者数の推計と学園の規模の展望 大学は、平成20年度入学者321人(対入学定員1.3375倍)から23年度入学者300人(対入学定員1.25倍)へ漸減、以後300人を維持。 短大は、平成20年度入学者75人。21年度以降70人を維持。 ドレメは、平成20年度入学者142人。21年度以降130人を維持。 幼稚園は、平成20年度3歳児54人、4歳児71人、21年度以降3歳児54人、4歳児59人。 ドレメの入学定員は、進学コースのアパレルデザイン科(1年制30人)とデザインアート科(1年制10人)及び高度アパレル専門科(4年制10人)を除く各学科の入学定員の減少を検討する。
第2 経営改善の取組み
1.経営改善の取組みの経緯 収支の均衡が維持されない経営が続いた結果、平成14年度、15年度に学園の経営は極度に悪化したが、平成16年度以降積上方式による予算編成、予算に基く事業の執行、従前の事業の見直し、人件費の抑制、大学の定員増等により収支の均衡が改善。 2.経営改善の状況と19年度決算 帰属収支差額比率は18年度にプラス2.1%、19年度にプラス8.8%。 人件費比率(人件費と帰属収入の比率)は18年度52.3%、19年度49.8%。 人件費依存率(人件費と学生生徒等納付金の比率)は18年度、19年度とも62%。 私立学校振興・共済事業団の「定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分」(平成19年8月報告)で杉野学園は19年度現在A2の正常状態。 3.経営改善の課題 人件費依存率は経営改善の取組みを開始した16年度以降62%の範囲内で推移。本学園の服飾教育は実験実習関係の設備備品を必要とし、材料費等の消耗品費も必要。近年コンピュータ関係の投資が増大、今後も継続的に新規の投資、更新が避けられず、その保守費も多額。従って長期にわたって安定した財務経営を維持するためには、人件費依存率を現状の62%に近い水準に維持することが不可欠。 19年度の消費収支の学校別内訳でドレメは大幅赤字で、ドレメの帰属収支差額比率を改善することが必要。 現在各学校の中途退学者数はかなり多く、これを減少させるための方策を早急に決定し、実行することが必要。 長期的な学生数の推計から見て、収益事業による経営の安定の確保が不可欠。目黒キャンパスの再開発に際して賃貸マンションを建設し、収益事業を拡大することは有力な方法。 今後は卒業生(同窓生)などを含め広い範囲を対象とした寄附金確保が必要。
第3 長期計画
1.建学の精神・ミッションと学園の将来目標 学園の創立者杉野芳子は、女性の自立を図り、日本の社会への洋装の普及定着と日本における服飾教育の確立、文化的教養と芸術性を兼ね備えた服飾の専門職業人の育成とモードの創造を目標とし、その実現にチャレンジした。 21世紀初頭に入った現在、日本の服飾に関する産業と社会はかつてないほど国際化が進行し、素材生産から消費市場に至るすべての局面で様々な課題に直面している。この状況の中で、学園の建学の精神であるチャレンジ精神をもって現在及び未来の日本のファッション産業の道を切り拓き、その担い手となる人材を社会に送り出すことが本学園の使命である。 本学園は、第1の3.で展望した学園の規模を維持し、大学、短大、ドレメの3つの学校がそれぞれの特色を追求しながら、日本の服飾教育界の中で先導的な地位を占めうるような質の高い教育機関となり、日本及び世界のアパレル産業とファッション界に貢献することを目標としなければならない。 2.教育組織に関する現状認識と改善計画 大学については平成14年度の女子大学から男女共学の服飾大学、服飾学科への改組転換後完成年次を経て各コース別の教育組織が定着し、各コースを選択する学生の数もおおむね妥当。 短大については平成14年度の改組の時点で生活芸術科の学生募集を停止し、入学定員を200名から100名に減じ、平成20年度に70名に減少させた。短大の志願者は減少しているが、志願者の中に高い素質の者が引き続き含まれている状況から判断して、短大の役割は失われていないと考えられる。 ドレメについては平成15年度以降も学科の新設改組を行ってきたが、志願者の減少が続いている。現時点では各学科、コースの教育内容の改善を図ることに力を注ぐことが必要。 アパレル産業やファッション界で第一線のクリエーターとして活躍できる人材を育成するため、その中核をなす世界に通用する若手デザイナーを輩出することが目標。この目標を達成する教育力の強化を中長期的な教育改善計画の核とする。 3.定員管理に関する方針 第1の3.に掲げた入学者数の推計に相応する入学定員を維持。大学240名、短大70名。ドレメは145名とすることを検討。 4.施設整備方針 今後の施設整備は長期的なキャンパス全体の再開発の視点から行うことが必要。ドレメ通りの駅寄りの地区については教育施設と収益事業施設の併存地区とし、南側の地区は教育施設地区とするのが適当。 再開発に当っては地域の文化的環境とアメニティーの維持増進に配慮することが必要。
第4 中期計画
1.中期経営方針 ドレメの教員及び事務職員(技術助手)を減員、教育研究経費を入学者数の減少に応じ減額、管理経費を大学と短大の中間値に減額。短大の教育研究経費も入学者数の減少に応じ減額。これにより法人全体の帰属収支差額を中期計画期間プラスに維持。人件費依存率は64%以下を維持。教育研究活動のキャッシュフローはプラス3億円を維持。 2.デザイナー養成教育強化プログラム 第3の長期計画の2.の質の高い教育の中核をなすデザイナー養成教育の強化プログラムを実行。 20年6月に大学モードクリエーションコースのデザイナー養成特別ゼミを開始。モードクリエーションコースの教員全員と外部デザイナー等による指導。 ゼミ参加学生は希望者の中から30名を限度として選抜。英語、フランス語の実務教育を強化。国内、国外のファッションコンテストに積極的に参加。 3.専攻科の新設 21年度に大学にファッションデザイン専攻科を開設。職場研修を行いながらデザイナーとしての基礎能力を深化。パリのAICP等への留学を斡旋。修業年限は1年又は2年。 4.大学院の新設 平成24年度を目途に大学院の新設を検討。 5.ファッションマガジン「ファッション力」の発行 学園編集の新ファッションマガジン「ファッション力」を発行。学生、教職員、学園関係者を対象に20年6月に第1号を発刊。パリコレやJFWなどのコレクションのトレンド取材、学園主催の「日本のファッション力研究講座」シリーズの紹介、内外著名人の特別講義の紹介記事などを掲載。早い時期に一般読者を対象に季刊による店頭販売への移行をめざす。 6.社会的責務とスクールエクステンション (1)全国ファッションデザインコンテスト 昭和38年以降継続的に実施してきた本コンテストを同様の規模で毎年度実施。 (2)地域社会との連携 ドレメ、短大、大学、衣裳博物館が地域社会等と連携して実施している事業を今後とも推進。 (3)大学・短大夏期セミナーとドレメ夏期セミナーの実施 平成18年度から大学・短大の教員によって高校家庭科教員の学び直しニーズに応えて実施している夏期セミナーを継続実施。 20年度には小・中・高校の教員を対象に教員免許更新講習(試行)を実施。21年度以降本講習を実施。 ドレメは18年度から「21世紀のデザインを探る」を研究テーマとして夏期セミナーを実施。20年度で3年のシリーズ終了。21年度以降の夏期セミナーについて検討。 (4)「ファッション力研究講座」の開催 平成19年度から「日本のファッション力研究講座」を開催。20年6月の第3回目からは繊研新聞社の協賛事業となる。ファッション雑誌の編集長、デザイナー等の専門家を招いてパネルディスカッション形式で行う公開研究会で、企業関係者、外部の学校関係者等多数参加。今後も年数回のシリーズで継続実施。 (5)ドレメ式原型の改訂・普及 平成18年にドレメ、大学、短大の教員による合同検討委員会でドレメ式原型の改訂の検討に着手。手計測と3次元人体計測に基いた検討を行い、20年7月に試案。21年度に改訂を行い、新しいテキストを刊行し、本学園とドレメ式原型を使用している学校の教育改善に資する。 (6)CAD講座と立体裁断講座の開講 20年9月から社会人の学び直しニーズに対応するため、社会人対象のCAD講座と立体裁断講座を開講。CADパターンメーキング、CADグレーディング、立体裁断及び立体製図法(ドレーピング&パターンメーキング)の実技指導を週1回夜間開講で実施。 7.杉野ホールの建設 長期計画の施設整備方針に従って、第2校舎の耐震化建替え工事を実施。ファッションショーその他の発表会、講演会等に使用する杉野ホールを建設。大学、大学院の授業等に使用する教室を併設。 建築面積約660m2、延床面積約2,300m2、地上4F、地下1F。 8.賃貸マンションの建設 第2校舎の建替え工事に伴って、同校舎敷地の一部を分筆し、賃貸マンションを建設。第2「経営改善の取組み」の3.「経営改善の課題」の長期的な経営安定化対策の一環。 敷地面積900m2、建築面積約500m2、延床面積約1,500m2、地上6F、地下1F、駐車場(地下機械式駐車)。
II.平成22年度事業概要
平成22年度に学園が取組んできた事業の概要は次のとおりです。
1.中長期計画の推進と見直し
学園運営の中長期計画は、平成20年7月に策定し、これに基づいて各年度において、教学改革、人事政策・人件費抑制、経費削減等の施策を講じてきた。平成22年度においては、中長期計画を引き続き推進した。
2.杉野学園第2校舎第2期・共同住宅の建設
杉野学園第2校舎の建設は、第1期工事が平成15年3月に完成した後、第2期工事着手前に中断していたが、平成22年度に第2期工事に着手した。これとともに旧第2校舎の敷地の一部を分筆して、収益事業のための賃貸用共同住宅の建設を開始した。両建物は、平成24年1月頃の完成を予定している。新築する第2校舎には、各種の式典、研究集会やショーの開催等に使用するホール(面積459u、席数600席)が含まれている。
3.大学院の新設の準備
学校教育法第97条の規定による修士課程の大学院を新設するための準備を行ったが、23年度に引き続き新設の準備を継続することとなった。
4.杉野服飾大学日中服飾専門課程の新設
中国浙江省の寧波紡織服装職業技術学院(高卒後3年制の服飾専科学校)と合作で同学院に「杉野服飾大学日中服飾専門課程」を平成22年9月に開設した。高等学校卒業を入学資格とし、修業年度は3年、同校修了者に対して寧波の学院は学院の卒業証書を発行し、杉野学園は修了証書を発行する。前期1年半は日本語と教養科目を履修し、後期1年半は杉野服飾大学の教員等による服飾教育を履修する。修了者に対して杉野服飾大学3年次への編入学を認める。
5.キャリアアップ講座の継続実施
企業で現職の職業人等の社会人を対象として平成20年度から開設した杉野学園キャリアアップ講座を継続実施した。講座内容はドレーピング&パターンメーキング、CADパターンメーキング、CADグレーディングの3講座で実施した。
6.ファッション力研究講座の継続実施
平成19年9月以降開催してきた学園主催の「ファッション力研究講座」を継続実施した。ヨミウリスタイルマガジン編集長の田居克人氏を総合司会者として、そのつどテーマを設け、国内のファッション関係のジャーナリスト、デザイナー、企業関係者の方々をゲストとして8月と2月に開催した。
7.「ファッション力」の刊行
前年度に引き続きファッションマガジン「ファッション力」を年4回刊行した。4回のうち2回はブティック社の協力で同社フィーメイル誌の綴じ込みとして刊行した。単独での2回の発行部数及びフィーメイル誌綴じ込みの2回の抜刷り部数は各回4千部発行した。
8.大学・短大夏期セミナーと教員免許状更新講習の開催
高等学校家庭科教員を対象として、大学・短大の教員で平成18年度から服飾造形夏期セミナーを実施してきたが、平成22年度には「服飾と産業」のテーマで8月9日(月)から11日(水)までの3日間で、大学の教員による講義と企業見学を含めて実施した。セミナー期間中に実施してきた教員研究作品の発表会も引き続き実施した。 また平成22年度に行った教員免許状更新講習については、高、中、小、幼の教諭を対象として、草木染、トートバッグ制作、色彩、洗濯の4つのコースを設けて8月9日(月)から11日(水)までの3日間実施した。
9.ドレメサマーセミナーの実施
ドレスメーカー学院は平成22年度から日本および海外各地に伝承されている「民族衣裳」をテーマとした研究を開始し、7月に開催したサマーセミナーで研究発表を行った。 また、新原型を使用しての服種パターン解説と実習についてもサマーセミナー期間中に実施した。平成22年度のセミナーは、7月24日(土)、25日(日)の2日間にわたって実施した。
10.小中学生に対するものづくり教室等の開催
小中学生が服飾に関するものづくりを体験し、喜びを味わうことは小中学生の人間的成長に大きな意味をもつ。この観点からドレスメーカー学院では、平成21年度に引き続き品川区教育委員会と協力して、品川区の小学生を対象とした「ドレメキッズスクール」を夏季・冬季の2回開催した。 また、大学では、品川区、目黒区、大田区の教育委員会と協力して、中学生を対象として平成21年度に引き続き「中学生ファッショングッズセミナー―マイ・バッグを作ろう―」を8月26日、27日の2日間で開催した。さらに、平成21年度に実施した高校生セミナー「共に目指すファッション」も引き続き8月9日、10日の2日間で開催した。
11.ウォルト作品の復元的研究の成果の公表
平成19年度から3年計画で文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業(現私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)のオープン・リサーチ・センター事業として実施してきたウォルト作品の復元研究が完成し、平成22年3月12日(金)に杉野学園でシンポジウム「現代衣裳の源流を探る―ウォルト・イヴニングドレスの復元―」を開催して研究成果の発表を行ったが、同日から衣裳博物館において同じ名称で復元衣裳と調査研究資料の公開を開始した。(展示の会期は平成22年8月11日(水)まで) また、調査研究の内容を報告書として刊行するとともに、デジタルコンテンツとして構築し、ホームページで公開した。 平成22年度では、これらの公表を通じて研究成果の周知を図った。
12.新教科書の刊行
平成21年7月に改訂した新ドレメ式原型を公表し、解説書を刊行したが、これに引き続き、ドレスメーカー学院、大学、短期大学部の教員による原型検討委員会を教科書作成委員会に転換して、教科書の作成を行った。平成22年度中に第一次の作業を終えて、平成23年春に新教科書を刊行した。さらに平成23年1月から第二次の作業を開始した。
13.SuginoGakuenボディの発売
平成22年度に改訂したドレメ式原型に適合し、かつJIS規格にも適合するヌードボディと工業用ボディを(株)キイヤとの共同研究により開発した。この新しいボディを(株)キイヤの協力を得て、SuginoGakuenボディとして、杉野学園から発売を開始した。
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